びさいの教育

和の心・継承

言葉遊び、ことわざなどたのしい言葉、和歌、俳句、現代詩など美しい日本語を体に刻み言葉の力を養います。俳句には日本語にリズムがあります。それを声に出してよむ時、日本語のリズムが身体化されます。俳句は季語が命です。感覚をたたえ、季節を畳み込んだ言葉を口にすることで、獲得される感覚があり、経験されてくる季節感があります。日本語力をつけることと、美的感受性を磨くことは別ではありません。感受したものを表現する力も養われます。
また、五・七・五と指折り数えることで、①数概念が形成され、②話し言葉から書き言葉への橋渡しが行われます。
数概念の形成は、小学校からはじまる算数の基礎です。算数的認識を可能にするのは言葉の力です。
耳で聞いていた言葉には意識しなかった音節を分解し意識することが、文字習得の土台になります。逆にそういう土台がしっかり据えられていないうちに、早期教育的に文字を覚えさせても、それは言語体系の習得にはなりません。また、文字という便利なものを覚えることによって、生の感覚でものをよく見ることをしなくなるというマイナス面を伴うことを指摘しておきたいと思います。
以上のように、俳句は、国語・算数・理科・社会・美術・音楽の総合です

注:文字学習には「発達段階としては5歳半ごろの言語後能力が必要でないかと考えられます。
文字獲得の前提条件の一つとして、話しことばによる一定充分な理解と表現力を位置づけるならば、幼児期には文字をたくさん教える以前に、生活の中で対話をゆたかにしたり、ごっこあそびを楽しく行ったり、絵本を読み聞かせたりというような経験の中で、話しことばをゆたかにしておくことがとりわけ重要といえるでしょう。」(白石恵理子監修『5歳児』かもがわ出版)
注:「絵が表現されておりますと、二歳、三歳、四歳の子どもたちは本当にその言葉の世界を自分のものにしてしまうのですね。字が読めるようになるとその力が消えてしまいます。だから、早くから字を教えることに私は賛成ではありません。(松井直「言葉のよろこび」鳥取県家庭文庫連絡会)