びさいの教育

びさいの教育

美哉幼稚園は平成27年度から認定こども園としてスタートしました。

どうして認定こども園(=幼稚園+保育園)に変わるのでしょうか

①幼児教育を深めるために
幼児教育とは環境による教育ですから、その意味では0歳児からでも幼児教育は可能です。満1歳から関わることでその子の成長を知り、個々に応じた支援ができるようになり、満1歳から6歳までの一貫した教育ができるようになります。教育と言っても、何かを教え込むとか暗記させるとかいう早期教育ではありません。びさいでは「勉強」はしません。でも生きる力の基礎を育みます。
②地域に必要とされる施設となるために
境港市は女性の就労率が全国的に見ても高い地域であり、それに伴い3歳未満児の就園率も高い土地柄です。仕事と子育ての両立は難しいことなので、それを支援するのも園の仕事だと思います。家庭と園との二人三脚で子どもが育っていける環境を作りたいと願っています。
同様に、専業主婦家庭の、家事労働を担いながらの子育てにも難しさがありますし、子どもを施設に預けるのではなく子どもと共に参加してもらう子育て支援活動も大切です。どちらの家庭の支援もできるのが認定こども園です。

理念、教育・保育目標

建学の精神

み仏の知恵と慈悲に照らされて、他の人や、物のいのちの上に生かされ、

み仏の限りない願の中に、命の尊さを知り大切にする。

教育理念

聞思もんし ―よく聞き よく考え よく遊ぶ

教育目標

おもいをわかちあう

ことばをつたえあう

からだをきたえあう

いきものとむつみあう

ちがいをみとめあう

うつくしいものにひびきあう

教育理念

びさいでは「よく聞く子ども」「言葉を伝える子ども」という具合に「目指す子ども像」を掲げません。
なぜでしょうか。これらの目標は子どもだけでなく保育者の目標でもあるからです。保育者と園児の区別を超えて等しい目標を持つことで、先生が一方的に教える態度が改められ、コミュニケーション的な、共に学ぶ生き方が育まれるのです。

3歳未満児保育で目指すもの:基本的生活習慣の定着と個の保証

①基本的生活習慣
衣食住についての作法が身についてくることで、生活が安定し、安心してゆったりとした気持ちをベースにして自由な探索活動が起こってきます。
基本的生活習慣の確立によって、子どもたちは自信をもちます。それは自立でもあり、将来にわたる生活力の基礎となります。
②担当制
家庭から離れて初めて園生活を送る時、保育者との関係がベースとなり、その信頼関係によって情緒の安定がはかられます。保育者が子どもによりそいながら、子どものすることを柔軟に受け容れ、心の動きを受けとめ、表情を映しかえす鏡のようになることで、子どもの心がふくらんでいきます。生活を共にし、個々をしっかりと見とることが保育者の仕事です。担当の保育者が園生活での心のよりどころとなります。
③自発性と環境構成
子どもの自発性を育むのが幼児教育の使命ですが、それは未満児保育においても変わりありません。
子どもの主体性が育まれるような場を開きます。保育室を小空間で区切り、それぞれのコーナーを意味や目的ごとに分けます。そこに子どもの発達を保証するおもちゃを置くという環境構成の、コーナー設定保育をいたします。
落ち着いた場で信頼できる保育者のもと、目の前にあるおもちゃを思いの向くままに選び、自由に十分遊び、気がすんだら片付ける。この一連の≪選ぶ―遊ぶ―片付ける≫活動をひとつのまとまりと見ることで、始まりと終わりのある自己完結した活動となり、自立心が身についていきます。
子どもの自発的な活動は個々のペースで行われます。保育者の目的で子どもたちを一斉に動かす保育より、個々の活動を重視します。
④屋上庭園(満1歳、1歳)
保育室はゆったりと安心して過ごす場です。園庭ではのびのびと体を動かします。
2階にも小さな屋上庭園があり、そこで、草・砂・水などの自然の基礎的な要素に触れることができます。そこで日々、人工物ではできない触覚的経験をし、それがまた情緒の安定につながって行きます。

3歳以上児保育で目指すもの

①学年の重点
3歳児:喜んで登園し、楽しく遊ぶ。基本的生活習慣を確立する。
4歳児:友だちと関わり合いながら、元気で仲良く遊び、園生活を楽しむ。
5歳児:協同的に遊び、学ぶ。
②びさいの教育のキーワード
◎本物に触れる
“触れる”ことを重視します。触れるとは直かに接することで、体験の中核です。映像は遠くのものを見せてくれます。見たり聞いたりだけであれば映像でも可能です。しかし、体験が大事だというのは手で触れ、足を運び、肌で感じ、匂い、味わい、五感から入ってくるものが多様だからです。
◎風土的身心
触れることを大事にすると、具体的には、土地のものに触れるということになり、地域資源を活用した保育になります。私たちの身も心も風土によって織りなされているので、そのことを自覚した教育活動を行います。
③教育内容
まことの保育、絵本の読み聞かせ、誕生会、鼓笛隊演奏、お魚探検隊(平成24年食のみやことっとり きらりと光る食育活動 第1回知事表彰)、環境教育(平成15年環境大臣賞)、和の心・継承(囲碁 和太鼓 俳句)、特別支援教育、生き物との関わり、キャリア教育、地域との交流
④外部講師による教育活動
和太鼓:佐名木知信先生、体育教室:坂田純子先生、表現のワークショップ:鳥の劇場

まことの保育

本園は浄土真宗の「本巌寺」とほぼ機を一にして建てられた幼稚園です。浄土真宗は、親鸞聖人を開祖と仰ぐ仏教の宗派の一つですので、本園は仏教精神を基盤にすえた幼稚園です。
本巌寺の本山である西本願寺は「まことの保育」という保育体系を持っており、本園もそれを取り入れ、月毎の生活目標に反映させたり、誕生会を行ったりしています。
まことの保育とは、「親鸞聖人の生き方に学び、生かされているいのちにめざめ、ともに育ちあう」と定義されています。

子どもたちが門に入ってまずあいさつをする「しんらんさま」童形像。9歳で出家する直前のお姿です。(江里敏明先生作 60周年記念に卒園生・在園生より寄贈されました)



誕生会では毎月本堂で、誕生月の園児さんを、その保護者・3歳以上児園児・教職員で、お祝いいたします。3歳未満児は各保育室で毎月誕生会を行います。

絵本の読み聞かせ


毎日の読み聞かせに加え、毎週「えほん館」に3歳以上児の園児が集まっての読み聞かせを通して、楽しみながら聞く力が育まれます。
絵本の時間のあと、園児たちは絵本を借りて帰ります。家庭での読み聞かせは、親と子の絆を深めるコミュニケーションです。
読み聞かせは、総合芸術です。聞いている人において視覚入力と聴覚入力との脳内ミックスがおこり、そのひとときに、イマジネーションの翼がはばたくのです。
聞く力は、自分を開くカギ。学力の基礎、ひとを受け容れるうつわを、つくります。

特別支援教育

発達障碍(しょうがい)等のお子さまに対して、個別的な配慮をしながら、その子の発達をサポートできるよう心がけてまいります。医療機関や専門機関、ご家庭、幼稚園、それぞれの連携を図りつつ、お子さまが育ちやすい環境をととのえます。

環境教育

「子育てとは子どもの育つ環境を整えること」という発想のもと、子育てと環境教育とが一体的に考えられるという視座で環境教育を平成10年度より行っています。その間地道に、基本的生活習慣を身につける幼児期に、環境負荷の少ない生活習慣を入れられないかと工夫してまいりました。平成15年には環境大臣賞もいただきました。

自然との関わり

本園には、カメ、フナ、コイ、熱帯魚、ミナミヌマエビ等の生きものがいます。また、桜、銀杏、藤、菩提樹、金木犀、銀木犀、紫陽花、百日紅、蝋梅、ハナミズキ、山茶花、バラ、つつじ等、多くの樹木、草花に囲まれています。
それらに触れることで、いのちあるもののぬくもり・はかなさ、四季という不思議を体感していきます。

お魚探検隊–ごめんなさいの食育


「お魚探検隊」は、園児による市場見学といわしの手開きという二つの体験軸をもった活動です。
市場では、魚を獲る人―売る人―買う人―作る人がいること、その人間の営みを包んで与え続ける海があるということ、つまり魚が私たちの口に入るまでの全体を、体験します。体験とは本物に触れること。なので、魚の切り身でクッキングするのでなく、丸ごとを手開きします。匂いもする。血も出る。いのちをまざまざと体験します。


しかし、体験だけでは終わらせません。体験が形になる。言葉や表現活動(絵画、演技等)が展開してきます。体験と、その表現を通して生きていくことの地盤を経験します。経験することで形成します。そして常識的な「ありがとうの食育」をその根底に超越するびさいの「ごめんなさいの食育」は、このお魚探検隊に根拠づけられています。


和の心・継承

国際化というと、英語をしたり外国に行ったりと発想します。でも、私たちはもっと日本を知らねばならないと考えます。日本文化とは日本語です。文化とは言葉で編(あ)まれています。感覚に襞(ひだ)をつけるのも言葉です。考えるのも言葉によります。日本語を深く知らずして、国際感覚が育つでしょうか。
また、日本には型の文化として体で身につけてゆくものが豊富です。


【囲碁】
思考力、集中力、判断力、持続力が、人と関わる遊びのうちに磨かれます。数への興味関心も育ちます。対戦相手があるゲームなのでコミュニケーションという面を持ちます。楽しみの中で、伝統文化を継承します。年長児が毎月行っています。
【和太鼓】
体に震動するリズム、友だちと共鳴するよろこび、緊張感と開放感。地域に根をはった大漁太鼓という文化を体でうけつぎます。
年長児が主に「びさいフェスティバル」にむけて取り組みます。

指導:佐名木知信先生(境港大漁太鼓荒神会)

【詩の群読】
俳句など美しい日本語を体に刻み言葉の力を養います。
*園児の俳句*

たんぽぽが だれかにみつを のまれたよ
よいこらしょ おいもをほるぞ うんこらしょ
きらきらと レモンダイヤの ふゆのなみ

鼓笛隊演奏

年長児が取り組む鼓笛隊演奏は運動会の花形です。自分でしたい楽器を選び、だからこそ、責任を持ってやり遂げる意欲が育まれていきます。それぞれの子どもたちが自分にとってやや高いハードルを跳ぶため、教師は子どもとのやりとりを通してハードルの高さが適切であるかを配慮しながら、進めます。時に前に立って引き上げ、時に後ろに立って背中を押し、子どもの伸びを共に経験します。
やり遂げた後の子どもたちは、ぐっと大人びて見えるから不思議です。
年少の園児たちも年長児の凛々しさを目にしてあこがれを抱き、翌年に自分のするパートを思い描いたりします。

体育教室

不定期で行われる体育教室ですが、子どもたちの大好きな時間です。
21世紀は体の時代。裏を返せば、子どもたちの体力低下が深刻化している時代です。
体とは、もっとも身近な自然。行動の器官。五感の土台。
体が育つ幼稚園にするために、体育教室で先生に教えていただいたことを、いかに日常生活の中に組み込めるかを課題としています。
「びさいフェスティバル」では「体操劇」というジャンルを開拓し展開しています。

地域との交流

公民館まつりへの参加、小学生と園児の交流、中学生の職場体験学習、高校生の保育実習、大学生の教育実習等を受ける等、地域との関わりを大切にしています。

PTA活動

「びさい縁日」や「餅つき」などの行事では、子どもと大人とが一体となり盛り上がっています。

おやぢの会



駐車場の草刈り、行事の手伝い、今日もオレンジのおやぢTシャツが光ります。
「娘が幼稚園に世話になっていたと思ってたけど、ぼくも世話になっていたんですね。」(卒園式でおやぢの会Mさんの言葉)

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