夏期保育が始まると、ああ夏休みも終わったなあという感じがします。
夏休み中、職員は何をしていたかといいますと、預かり保育は勿論のこと、日ごろの保育中できずにたまっていたことをしたり、おもちゃを消毒したり。中でも、夏休みは研修シーズンということで、中国地区教育研修大会や幼児教育実践学会という私立幼稚園の全国規模の学会に参加したりしています。
そして、今年もびさいは研究発表をしました。「鳥取県幼稚園教育課程等研究協議会」という、ちょっと舌をかみそうな研修会です。
そこで与えられたテーマは、「きまりの必要性を理解し守る」にはどういうことをしたらいいかというようなものでした。
でも大人に与えられたきまりを一方的に守る従順な子どもを育てるのが幼児教育ではありません。子どもの主体性を育むことが使命です。ぢゃあ、どういうことになるのか!?
きまりを作る。自分たちで必要を感じて、話し合ったりぶつかり合ったりする葛藤を体験しながら、自分たちできまりを作るひとになる。これができてこそ幼児教育です。
むつかしいことなので、私どもも完全にできているとはいえませんが、子どもがきまりを作る、自分たちで作ったからこそ守るという実践報告をしてきました。保護者のみなさんにも報告したいと思っています。
先日境港市で、もと逗子市長、富野暉一郎教授の講演がありました。地方自治法が2000年に変わった。今まで地方自治体は国に言われたことをやるのが仕事だった。でもその法ができてからは、自治体が自分たちで条例などを作って、いわば「自分たちできまりを作る」時代なのだ、ということでした。つまりこれからは、きまりを与えられることを待っていたり、きまりを意味もわからず守ったりする人が求められているのではなく、きまりを作る人が求められているということなのです。
つまり私どもが幼児教育で育んでいるのは、小学校に上がってからの適応能力どころか、将来の市民の中核なのです。
こうやって、一つ一つ、大事なことを外さずに、幼児教育を見直していきたいし、それができてきていると感じています。
またひとつ、びさいスタンダードが確定した夏でした。