たんぽぽのプレゼント、そして野花考

園バスで園児さんの迎えに行くと、朝から楽しそうに走り回り、お花をつんだりしている。バスを止めると駆け込むように女の子がやってきて、「先生あげる」とたんぽぽの花束をプレゼント。うれしい!

何気なくつんでかわいらしい手に無造作に握ったにしては、長短の均整が取れていて、美しい。容姿を損なわないうちに一枚パチリ。

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野花はいいですね。つむことをゆるす花だから。プランタの花は目で見るためのもの。つんだら叱られるでしょう?でも手で感触をあじわい、においをかいで、花輪をつくって戯れて、そうすることが花との付き合いが深くなることだと思いませんか。そして子どもはそれを求めているように思います。

そうだとすると、幼稚園の園庭というのは考えなければなりません。自生する花や雑草と呼ばれる草を受け入れるような庭がいい。そうしたら虫もふえる、鳥も来る。そういう自然な空間と、人が手入れをするプランタや花壇が両立してるような園庭がいいのではないでしょうか。

保護者さんにお配りしている「ないおん」5月号から、スウェーデンの環境教育「森のムッレ教室」をしている高見幸子さんの文章を引用します。

 

「自然が一番理想的な遊び場ですが、都会の公園でも、工夫すれば理想的な遊び場になります。ぜひ、起伏があり木や低木がたくさんある場所を子どもに確保してほしいものです。雑草や秋の落ち葉を掃除しないで残しておいてほしいものです。遊びは、子どものすべてです。私たちは、大人の便利さと美観だけを考えるのではなく、子どもにとって理想的な遊び場がどこなのかしっかり調べ提供するべきだと思います。」

 

まったく同感です。こういう考え方に共鳴するような小さな試みは、4月24日のブログでちょっとふれましたのでご覧ください。

ところで、あらためて、タンポポは夜、開いた花びらを抱え込むようにおさめるように、そっと眠るのですね。仕事を終えて帰る前、えほん館にかざったたんぽぽの姿に微笑んでしまうのでした。

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