生命の仕事

朝、園庭の一隅で、クロアゲハがさなぎから出たてのシーンに遭遇。まだ潤いのある翅を、飛べる翅にすべく、たたずみながら翅に風を通しているように見えます。

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昨日、出産がそろそろかなと思いわらをとって来て用意してもらったウサギ小屋ですが、そのわらをしきつめた上がウサギの毛でいっぱい。りっぱな赤ちゃんベッドができいていて、出産準備完了って感じです。一晩で、母親はこれだけの毛をみずからの体からむしり取るということに、頭が下がるような思いです。

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今晩あたりではないかと、みなでドキドキしています。

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アゲハにしても、母うさぎのいとなみにしても、カナヘビが卵からでてくることも、はたまた胎児が出産するときに頭を回転させながら産道をとおってくるということも、誰に教えてもらったわけぢゃないのに、立派にやってのける。生命の仕事とでも言うようないとなみは、不思議です。生命とかいのちとかいっても、それは個々の個体の生存のこととはちょっと違います。カブトムシが成虫になってすぐにでもする仕事、そしてそれが終わると速やかに死んでいく、それも生命の仕事。個体の意思ではなく、個体に先だって、個体を超えつつ個体をつないでいるような目に見えない生命、時間空間を超えて、つまりいたるところでいつでも、輝き通しのおおきな生命。その大きな仕事にぼくら一人一人の個体が参加している、そういう不思議さとすがすがしさです。

今日も園庭のいたるところで、つまり世界のいたるところで、命の仕事が行われています。

 

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