年長5歳児すみれ組。今回の話は少し長くなります。
今週は「ごっこあそび」という行事がありました。(お店やさんごっこです)
年長組の場合は商品を作って、売って、買ってという社会の流れを遊びの中で意識します。
子どもたちの遊びの中からもオリジナルのお店が出店されました。
こちらは散髪ごっこでしょうか・・・この遊びが「ごっこあそび」当日は
こんな素敵な美容院に変身していました。お店の名前や看板も自分たちで作ってセッティングしたのでした。
これは何だろう?机に積み木で囲いを作っていた遊び。何やら生物がいます。子どもたちに聞くと「ザリガニ釣り」とのこと。こちらも当日・・・
そのまま「ザリガニ釣り屋さん」という名前で商売していました。
開店直後は緊張感がありましたが時間が経つにつれて、接客が上手になっていく子どもたち。優しさを持ってお客さんと接します。
炎の料理人も大活躍しています。銀行も大忙し。
「ごっこあそび」の販売を終えたすみれ組の子どもたちから出たある言葉。
「たのしいけど、こんなにいそがしいとはおもわなかった。」
「おかねをかせぐのはたいへんだった。」
はい!お金を稼ぐということは大変なんです!!!!!
時はさかのぼること一日前・・・買い物をするのに必要なものそれはお金。
担任:「お金はどこからやってくるの?」子ども:「??????」
担任:「じゃあどうしてみんなは好きなおもちゃを買ってもらってるか知ってる?」
子ども:「おうちのひとがはたらいておかねをもらっているから!」
担任:「そう!お家の人が一生懸命働いて稼いだお金でみんなは好きなものを買ってもらってるんだよ」
※年長組でひとつ問題なのは自分のおもちゃ(シールが多いですが)をこっそり持 ってきて親や担任の知らないところで友だちと交換してしまうことがあるということ。
担任:「この前、そんな大事なお金で買ってもらったものを幼稚園に持ってきたり、友だちと勝手に交換したらいけない約束を先生としたのを覚えてる?」
子ども:「おぼえてる!」
担任:「じゃあ今日はそんな大事なお金をもらうためにお手伝いではなく、お仕事をしてもらいます!」
ということで早速「幼稚園の安全守る隊」に変身し、園庭の危険なものやゴミを拾いに出掛けます。
とがった石、 紙切れ、ガラス、大きな石は力を合わせて運びます。
集めたゴミは可燃物と不燃物に分けます。その中でリサイクルできるものや「分別」という言葉を覚えていきます。
最後は担任の「環境クイズ」をチームごとに受けます。真剣に相談していますね。
これに正解すると手にハンコがもらえ、労働終了です。
このあと自分たちが買い物するのに使うお金を無事に受け取るのでした。
時は戻り、「ごっこあそび」終了後、ある子どもがこんなことを言いました。
「おみせをしているおばあちゃんやおかあさんのたいへんさがはじめてわかった」
他にも幼稚園から帰ってきた子どもに「お金について力説された」とは保護者さんの声。
リアルな体験を通しての、ものを「買った」から「買ってもらった」への心情の変化や、お金に対する子どもなりの価値観の基盤が作られていく過程でとてもよい経験になったのではないでしょうか?
言葉で伝えて伝わった気になるのは大人の悪いところ。だからこそ本当に大切なことに、子どもと関わる人間が、敏感にならないといけないなと逆に考えさせられた10月でした。