寒い朝のぬくもり

先日の、よく晴れた寒い朝のこと。

バスを待って、乗ってきた子が

「さむううううううい」というので、私は

「寒いねえ。晴れた朝は寒いんだよ」というと、その次にその子いわく

「お母さんの手、あったかーい」

寒空の下バスを待ちながらお母さんが手を取ってくれてたんですね。

こういうあったかさ、何よりのものだと思います。

心だけの抽象的な比喩でもなく、体だけの体温何度というのでもなく、

体にも心にも触れるあたたかさ。

手を握るってことは単純で地味だけど、このささやかな経験が

親子関係のめだたぬベースをなすように思います。

こういう目立たないぬくもりを織り込んでいった体が成長するとき、強くあたたかい人になるのではないかと思われるのです。

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