リアルを求めて

 

年長5歳児すみれ組。

現代っ子の君たちは、きっとタブレットなんかで指先ひとつで遊んだりすることもあるかもしれません。

でも、指先で簡単に平面世界を操作することに先生は色々思うことがあります。

 

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たとえば積み木。積み上げる中にバランスや立体がリアルに盛り込まれています。



 

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自分の身体で高さを測ったり、先生の身長と比べながら積み上げられた積み木。



 

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崩れるかもしれないという緊張感と重ねる構造の工夫。

これらはタブレットの指先ひとつという平面世界では得ることのできないリアルな世界。



 

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高いところに登って見ている景色。これも平面世界ではリアルに体感できないことでしょう。



 

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園庭でジュウオウジャーごっこという名の戦いごっこが盛大に始まった次の日。すみれ組では恒例のすもう大会が開かれました。



 

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礼に始まり、塵手水(ちりちょうず)。ルールは簡単押し相撲。終わった後にも相手に礼。



 

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負けても必死に友だちの名前を呼んでの応援。タブレットの中ではできないリアルな体験です。



 

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そんなリアルな熱気のこもった相撲の後の戸外遊び。昨日戦いごっこの行われたいたこの場所で、ズリズリと足で地面を削る音。何が始まるんだろう。



 

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戦いごっこをしていた同じ場所に土俵があらわれ、武器のない戦いが始まりました。

戦いごっこのように空想の敵はいりません。リアルな対戦相手がいます。

戦いごっこのように武器はいりません。自分の身体があるのですから。



 

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「はっけよいのこった」というリアルな声と、地面を蹴り踏ん張るリアルな音は「世界が変わり始めた音」でもあり、ここが平面世界ではない証拠です。

 

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